サ キさんのチェンマイ日記

                                        
 
■ 520■ 5月11日 2008

「隣国ミャンマー」


先週5月3日に降りがした雨は、チェンマイ地方に大量の雨を 降らせました。これは単に豪雨というだけではなく、隣国ミャンマーでは大型ハリケーンとなって、首都ヤンゴンに襲いかかり死者2万人、行方不明者4万人を 超える大惨事となっているというニュースが入ってきました。

僕たちは5月4日から2泊で、北の町チェンラーイに出かけてゴルフ三昧の日々を過ごそうなどと計画していたのですからのんきなものです。しかし、17番 ホールあたりから雲行きが怪しくなって来て、決行するかどうかを土曜日中に連絡し合うことで別れましたが、雨は土曜日午後から断続的に激しくなり、おかげ でからからに乾いたチェンマイ地方に恵みの雨だと高を食っていたところ、日曜日には本格的な降りになり、例のバケツをひっくり返したような大量の雨が短時 間のうちに降り、ゴルフどころではないという騒ぎになり、早々と中止を決めました。

タイは台風の話をあまり聞かないと思っていたら、タイの隣のミャンマー、バングラデシュが面するベンガル湾に発生する大型熱帯性低気圧はサイクロンと呼ぶ ようです。太平洋が台風、メキシコ湾に発生するのがハリケーンと呼び名が違うだけです。

今回被害が出たミャンマー、ヤ ンゴンは10数年前に旅行した思い出がありますが、のんびりとした古いタイの町を彷彿とさせるような雰囲気だったことを思い出します。確か、自宅軟禁状態 が続いているアウンサンスーチーさんの自宅は日本大使館の向かいだったと記憶しています。大きな池のそばの閑静な住宅街の中で、緑がうっそうと茂っている 大きなお屋敷でした。考えてみれば彼女の父親はミヤンマー(当時はビルマ)解放の父とうたわれた実力者であったので、これくらい広大な屋敷の所有者であっ ても不思議がないといと思った記憶があります。政治的に軍事独裁をしく前近代的な国だと思われますが、町の様子は結構明るく、ヒュンダイやLG、サムスン などの広告看板が結構沢山建っており、韓国企業の進出がうかがわれました。本格的的なホテル建築が開始されており、そのいくつかを視察しましたが、観光立 国を目指す勢いが感じられました。

しかし、町のインフラは未発達で、車の数もそれほど多くなく、未舗装の道路などもあります。人々はのんびりとしており、男女ともミヤンマーの民族衣装のロ ンジン(巻きスカート)を着ています。足を完全に隠すロングスカートは、その昔タイでも代表的な民族衣装でしたが、今ではかなりの田舎に行かなければお目 にかかれないものです。それをまとい、足下はゴム草履だったことを思い出します。この国に靴を輸入すれば結構いい商売になると、同行の誰かが言っていたこ とを思い出しますが、現在ではどうなっているのでしょうか。

観光資源にも乏しく、見るべきところはあまりなく町のどこからでも眺められる巨大なシュェダゴンパゴダは黄金に輝く壮大な眺めです。途中まで登るのに、長 大なエレベーターがいていたことを思い出します。旧市街は旧主国イギリスの面影を残す建物などもありますが、全体的には田舎町という感は拭えません。旧市 街にイギリス統治時代からあるスコットマーケットに出かけましたが、土産物として興味のわくものは皆無でした。ヤンゴンから飛行機で小1時間の距離にある 旧都マンダレーが唯一の観光地というような状態でした。レストランも気の利いたところがなく、タイで有名なタイスキ・コカが近々進出するという看板を見た くらいなものでした。それから10数年が経ちますが観光リストとしてミヤンマーが有名になった話は聞きませんので、当時のままの状態から発展した形跡はあ りません。

ヤンゴンは何回もハリケーンの大被害に襲われています。本格的な整備が行われないままに、イラワジ川の河口に人が住みだしたのが町の成り立ちですので、高 潮が襲ったらひとたまりもありません。そんな感想を持っていたところ今回のハリケーンです。新聞報道によると、救援物資を満載した救援機を軍事政権が差し 押さえたとあります。先日の仏教徒によるデモの強行鎮圧や、アウンサンスーチーさんの軟禁事件、それに今回は災害中にも関わらず選挙を強行している姿勢な ど、国内の山積する問題を外国人に見せたくない思惑があるようです。

この国はどうも国内事情を外国人に見られるのを極度に恐れているようです。鎖国状態と言ってもいい感じです。各国からの救助隊の入国ビザ発行を渋っている ようです。これでは、国際社会が救援の手を差し伸べようとしても不可能です。

タイの隣国はまだまだ発展途上国がたくさんあります。世界最貧国の一つと言われるラオスなどは、30年前くらい前からたびたび訪れていますが、町の様子は 一向に変化の兆しはありません。カンボジアも長い間の共産党支配で、200万人もの(全人口の3分の1)大量虐殺があったのはつい20年くらい前の話で す。その点タイは二次大戦以前も以後もどの国にも支配されないままなので、何となく国際性には乏しいところがありますが、中進国として発展しています。一 部政治家のなれ合い政治が長い間続いており時々クーデターなど物騒な事件が発生しますが長続きせず、これもなれ合いの勢力争いの感は拭えず、流血の惨事に 発展することはありません。根っからの楽天家の国柄で、物事を深刻に考える人はごく少数です。

今回の隣国ミヤンマーのハリケーン災害に対する援助活動も今少し出足が悪いように感じます。タイは地理的に台風被害を受けづらい位置にあります。北部地方 は地震多発地帯ですが、それでも大地震の記録は歴史上2、3にとどめます。山林、密林の不法伐採で、時々大洪水が発生しますが、被害はそれほど大きくはあ りません。南部イスラム過激派との軋轢などの問題は解決されていませんが、広大なメコンデルタは肥沃な土地で、米は世界一の輸出国の地位を保っています し、完全自給自足が可能で、貧困問題も社会問題化しない程度に保たれています。

このところの原油高の影響で、タイも諸物価が高騰してインフレ傾向にあります。でも、これも社会問題化するまでには至っておらず、最近米の価格が高騰した 結果、一部スーパーマーケットに「米はひと家族3袋まで」という張り紙が出現しましたが、それもすわ食料危機という訳ではなく、平和でのんびりとした毎日 が過ぎていくのは、タイに住んでいるおかげだと感謝しています。多少暑さがぶり返して寝苦しい夜が続きますが、そんなことに文句を言っているのは、贅沢で 平和な証拠だと思う今日この頃です。

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