サ キさんのチェンマイ日記

                                        



 
■ 518■ 4月23日 2008

「暑いチェンマイ」


ソンクラン(水掛祭り・タイの正月)が過ぎた今は、一年でもっとも暑い季節でチェンマイ中が焦げてしまうほどの暑 さが連日続いています。

僕はチェンマイ在住6年間のうち、3年をバンコクで単身赴任したのが悪い結果となって、今年の最夏期の暑さは我慢ができない程になっています。バンコクの サービスアパートはエアコン完備で快適、日中過ごすオフィスも効き過ぎる位エアコンが効いていますので暑さ知らずでした。それがチェンマイ生活では、ベッ ドルームにはエアコンがありますが、リビングやダイニングにはエアコンがありませんので暑さの中で一日を過ごしています。

リビングにエアコンがないのは一般的なチェンマイの住宅で、それほど珍しくもないのですが、最初住みだした2001年の夏期は40年ぶりの暑さといわれま したが、僕には我慢できないほどではなく無事に過ごせました。移住したチェンマイ生活に対する期待と興奮がそうさせてのかも知れません。事実ソンクランの 水掛祭りにも連日見物に出かけましたし、そのうちの一日はチェンマイ大学医学部のインターンとともにピックアップトラックにいっぱい水を用意して一日中水 掛に夢中になりましたが別段それほど疲れる訳でもなく、楽しい祭りを満喫できました。それがチェンマイ生活も時間が経つと、ものごとや催しがそれほど珍し くもなくなり、祭りなどは興味を引かなくなってしまって、今年などは数ある祭りにほとんど参加しないという体たらくです。2年目からのこの暑い時期はチェ ンマイは住みづらく、家人は毎年どこかにエスケープしていました。

慣れてくるとは怖いもので、これではいけないと最近は努めて祭りに出かけるように心がけていますが、今年のソンクランは長女の出迎えのため香港に行ってい ましたので、祭りの終わりのしっぽのような光景を見ただけです。相変わらずずぶ濡れになって興奮している人を見るとよく「飽きずに」という思いが強くなり ます。普段はこれというイベントもないチェンマイですので、祭りにはめいっぱい騒ぎまくる心境はわからなくもありませんが、単純に水を掛け合うのがそんな に楽しいのかなと、疑問を持ち出したら興味も半減してしまいます。しかし、僕が今年感じているチェンマイの耐えがたいような暑さの中では、思い切り頭から 水を被りたい心境にもなります。その点では、この祭りは暑さの憂さを晴らすにはうってつけかも知れません。

うだるようなこの暑さに中でチェンマイは現在花々が咲き乱れて、百花総覧の状態です。一番暑い時期はチェンマイが一年でも一番綺麗な季節です。番暑い季節 に黄色の花をつけるタイの国花ラチャプルックや、深紅の火炎樹、それに名前知らずの紫の花など原色の強烈な花が暑さに負けじと自己主張しています。それが 群生している様は、まさに強烈な色彩の乱舞で、南国の花はこれくらいの自己主張がなければ太陽の光に負けてしまうのでしょう。


僕など凡人には、花は、水や太陽の光が大切で、それらがちょうどよくバランスした時期が(日本でいうと春)花が一 斉に咲き出す季にふさわしいと考えます が、チェンマイでは半年間雨が降らず、水分が一番不足する時期に木々が花をつけます。もう少し
時 間がたって、6月になれば雨期が始まり恵みの雨が太地を潤し、そして花の季 節が始まると想像しますが、チェンマイではこの常識は通用しません。

水をやらなければ育たない草花は、面倒だからあまり人気がないとチェンマイではいいます。事実、最近僕の家の周りで改修工事をしていた家は、庭に芝生を植 え、花壇には花を植えていますが水をやっている気配がありません。心配で僕が自分の庭に散水する時、ホースをのばして水をやっているのですがどうもこれは 余計なお世話のようです。芝生などは、植えた後水道の水を出しっぱなしにして4、5日おき、その後は全く水をやっていません。それでも、所々は枯れかかっ ていますが芝生は日増しに元気になり、青々としてきました。お隣は空き家になって久しいのですが、花壇の花が今白い花(カラベック)をつけています。要す るに水をやらなければならないような面倒な草木はチェンマイでは人気薄のようです。

これだけ豊富にある太陽のひかりは草木をうるおしたり、人々を暑さでげんなりさせるだけでなく(タイ人は大の暑さ嫌いです)もっと有効的に使えないかと思 います。太陽電池などもその一つですが、チェンマイでは太陽電池を使っている例などは皆無のようです。一年の半分は曇りの日が全くないといっていいほどの 快晴が続きますし、雨期といっても2、3時間大雨が降るだけでその後はすぐに快晴になって強烈な太陽が顔をだすのですから、太陽電池などはこの国に持って こいと思います。日本などのように一日中どんよりとした曇りの日は全く存在しません。多分普及しないのは設置コストがかかりすぎだからだと思います。ク リーンエナジーが叫ばれていますが、現実はまだまだ道遠いようです。

ここまで書いていて、毎日の街 角ウオッチで発見したものがあります。なんとチェンマイでも太陽電池使い出しました。それもかなり大量にです。町を縦横に走る各ソイ(小道)の大通りの出 口にソーラーパネルを使った信号機が取り付けられています。タイの太陽光は電力を発生させるには充分かつ挙列なようで小さなパネルが頭に付いた信号機が昼 夜を問わず稼働しています。これはかなりの進歩で、道路が交差した地点で多発する交通事故防止にかなりの威力を発揮するのではないかと思われます。僕の住 んでいる二マンヘミン通りは碁盤の目のように道路が走っています。どちらが優先道路かわからない道路幅で、自動車事故が多発しています。警察も無策ではな く2、3年前に一時停止の標識を取り付けました。しかし、これはいささか小さすぎたのと、標識の近くの庭木がすぐに大きくなって、枝を伸ばすためせっかく の標識がすぐに見えなくなってしまいます。時々は枝を払っているようですが、個人の家の庭からはみ出している枝には手をつけるわけにも行かないのでしょ う、標識の存在そのものが見えなくなっているケースがかなりあります。

多分、日本であればこまめに街路樹の枝払いをして、交通標識をよく見える努力をすると思いますが、チェンマイ流はさればと新しい方法を考え出します。それ がソーラーパネルを取り付けた一時停止の信号機というわけです。うろ覚えの新聞記事では、チェンマイの交通信号の整備は日本の円借款で行われているそうで す。そうなればおきまりの予算消化のために必要ないと思われる場所にも信号機を設置する愚を犯しています。最近のチェンマイの街角は信号機ばかりです。中 には横断歩廊によりつけられた歩行者用信号などは、5秒で変わってしまって歩行者が安心して道路を横断できないような全く目的を度外視した信号なども存在 します。

新聞記事によりますと、速くもこのソーラーパネルが盗難にあったようです。あんなものを盗んで一体どういう風に使うのか理解に苦しみますが、何か無から有 を生み出す魔法のパネルに見えたのかも知れません。この新設太陽光信号機、速くも生い茂る若葉に隠れてしまいそうなものも中にはあります。メンテナンスを どうするか、今から興味津々です。まさか設置してそのままということはないとは思いますが、そこはチェンマイのこと、そのうち庭木で隠れてしまい無用の長 物と化してしまわないとは思いますが。

ここまで書いていると、昨日の夕方から雷雨と予期せぬ雨が降り出しました。雨は涼風を運んできてくれ、一瞬のうちにうだるような暑さは消え去り、心地よい 一夜をもたらしてくれました。今朝も未だしとしと雨が降っています。先日訪れた香港は雨期で湿気が多く、べとつく肌で不快指数が高かったのですが、チェン マイの雨は湿気が多くなっても不快になることがありません。それだけ半年間の高温ですべ
てのものがからからに乾いてしまっている結果、この雨はまさに慈雨 で、適度な湿気が家具や、木々や、小鳥や、人間の心までしっとりとした潤いを与えられ、今朝の家人の朝の挨拶も心なしかしとやかに聞こえたのは、僕が難聴 だからというせいばかりではないようです。




 



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