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■ 516■ 4月6日 2008
「死後のこと」
チェンマイに住んでいるとちょっと信じられないカップルを目撃することがあります。それも、かなり頻繁に、です。
僕の住んでいるタウンハウスの向かいのドイツ
人の家庭はちょっと複雑です。40歳後半ぐらいの御当主と20歳台のタイ人のお嫁さん、それに80歳代と見える御当主のお母さん、それとお嫁さんと同じく
らいの年格好の女中が同じ家に住んでいます。どう見ても年齢構成が変で奇妙ですが、4人は仲良く暮らしています。
夕方にはこのお嫁さんと、女中が道路でバトミントンをしている光景は微笑ましく映りますが、ちょっと考えを巡らせるとこれはかなり異様な光景で、日本では
まずお目にかかれません。僕はちょっと興味があるのでよく観察をしていますが、お嫁さんと女中の着ている洋服などもかなりの差があるようです。お嫁さんは
フリルの付いた花柄のブラウスを好んで着ておりおしゃれですが、女中の方はいつも同じTシャツにジーンズという代わり映えのしない服装です。
はじめ、この女中は家人の観察では、家の留守を預かっている知り合いの子だといっていましたが、僕が毎日庭の散水時に観察していると、女中がゴミ出しをし
ていますが、お嫁さんは一切この種の家庭の雑用はしていません。それにお嫁さんは家に引きこもりがちで表にはあまり出てきません。ここからは僕の推測です
が、この二人は古くからの知り合いです。お嫁さんの方がドイツ人と結婚して、家の向かいに引っ越してき、女中が必要だからと知り合いで同じ年格好の女性を
雇っているのです。
しかし、事情が少し変わればこのお嫁さんと女中の立場は逆転していたかも知れません。すなわち、お嫁さんが女中に、女中がお嫁さんになっていても何の不思
議もありません。そして現在女中の立場で同居している女性は、そんなことを夢想しているかもしれません。
チェンマイでは親子程年齢差があるカップルは珍しくありません。いや、孫くらいの年齢差の女性と結婚しているカップルや、同棲しているケースは枚挙にいと
いません。日本人もしかりで、こんなカップルを多数見かけます。果たして日常の生活は旨くいっているのかどうか、他人事ながらちょっと心配になってしまう
ケースもあります。かなり前になりますが、そんな関係にある日本人男性から相談を受けたことがあります。つまり、「タイ人の女性(というよりは少女といっ
た方がよいくらいの年齢)と一緒に生活しているのだが、最近子供ができたようで、籍を入れた方がよいかどうか」という相談です。
初めのうちは開いた口がふさがらない状態で(僕が)、呆れてものがいえないという心境でした。日本でどういう生活をしてきたかは知りませんが、チェンマイ
に来て自分の娘といっていいほどの年齢差の女性と生活して、子供ができたのであわてている状態は、全く僕には理解の範疇を超えた事実で相談には即答できま
せんでした。僕は弁護士ではないので、この相談に乗ることはできない旨を伝え、断りましたが、考えて見ればこんなケースは日本ではまず発生しないもので
す。しかし、チェンマイではさほど珍しくもない話です。
日本では誰も鼻も引っかけてくれないような「おじん」が、若くて綺麗なタイ人の女の子と二人ずれで手をつないで歩いている姿は、見方によっては青春を謳歌
しているようにも見えますが、日本国内では女性と手をつなぐ中高年など、とんと見かけたことがありませんので、僕などは目撃するとちょっと奇異な感じに見
えますが、やはりこの不釣り合いのカップルは問題を含んでいるようです。
増え続けるチェンマイの日本人居住者ですが、中にはかなりタイを誤解した人も多くいて困りものです。もちろん日本を捨ててタイで第2の人生を謳歌している
のだから、誰にも文句はいわせないと、開き直っているのかも知れませんが、これは将来に禍根を残すことにもなりかねず、HPで取り上げる次第です。
最近こんな記事がミニコミに出ていました。
それは若いタイ人と結婚してチェンマイに住んでいる人や、同棲している人たちに将来訪れる死亡後の問題です。日本人独居生活者であれば、日本領事官邦人保
護課が日本の親族や知人に連絡して処理してくれるので問題は発生しませんが、タイ人と結婚ないしは同棲者の場合は問題が山積することになります。この場合
連れ合いのタイ人女性はほとんどが娘か孫くらいの年齢差がありますので、日本人が死亡した後も、かなり長い人生を生きていかなければなりません。
また、この女性は大半が何の資産も持ち合わせておらず、連れ合いの日本人が死亡したとたんに路頭に迷うことになります。また、自分で自立するすべもなく、
第一年齢差を考えずに外国人と結婚した理由は、相手の経済力に頼った結果です。中には女性の家族や親戚までも面倒を見ているケースもあります。彼女たちは
相手の財布が目当てだといってもいいケースが大半です。だから日本ではまず「鼻も引っかけてくれない」御仁でも、簡単に綺麗なタイ人の伴侶を見つけること
が可能です。生活がきちんとしており、将来のことも見越して、死後のことも計算している人は別ですが、大半はそうでなく年金生活者も沢山います。美しい娘
さんとの生活は想像を絶する楽しさで、第二の人生を謳歌している間は問題はありませんが、自分が死んだ後のことまで考えを巡らせている人は数少ないと思え
ます。大半がかなり高齢者ですので、連れ居合いに先立たれたタイ人女性は悲劇です。収入の道はたちまち閉ざされてしまいます。年金生活者であれば正式の結
婚ではない場合や、国籍が違っても日本の社会保険庁に申請すれば遺族年金が下りるようです。だけれども残されたタイ人には言葉の問題や、日本までの距離の
問題もあって申請は簡単ではありません。面倒を嫌うタイ人の大半はその権利を放棄しているようです。
土地の所有がタイ人以外の外国人には認められないタイでは、外国人でもコンドミニアムなどの空中居住空間は購入が可能です。しかし、この種の財産には日本
人家族がクレームをつけやすく、事実タイ人名義で購入した土地家屋に日本人遺族がクレームをつけたケースもあるようです。銀行に預貯金が残っているケース
はいいとして、土地建物を購入する際にタイ人名義で融資を受けていて融資残高があったケースなどでは、日本人が死亡したとたんにタイ人配偶者に借金がのし
かかってくることになりかねません。
普段から死後のケースを研究して、よく話し合って手配を怠らなければ問題は派生しないのですが、大半はそうではないようで、むしろこの無責任さが将来「日
本人ロングステーヤーに使い捨てにされた」「タイの女性は乗り捨て自由のレンタカーではない」と悪評を買い、チェンマイに住んでいるタイ人を配偶者にする
ロングステーヤーが将来白い目で見られかねないと投稿者は将来を危惧しています。
(「チャオ」10/Mar/2008 「避けて通れない悩ましき死後の世界」文・山内恵二)
死という問題は誰もが避けては通れません。しかし、チェンマイで見かけるこの種のカップルのケースはそのあたりがいい加減でかなり問題を含んでいると思わ
れます。「なに、相手側は日本人の財布をねらっているだけだ、それほど真剣に考えることはない、死んでしまえばはいそれまでよ」とうそぶいてもおれませ
ん。金の切れ目が縁の切れ目を地でいくケース多発しています。どちらがどうのこうのという問題ではなく、チェンマイで第二の人生を過ごした楽しい日常を考
えると、自分の死後のこともきちんと生前から思案を巡らせておきたいものです。
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