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「タクシースタンド」
■401■ 11月13日
危険だと言われ続けてきたバンコクのタクシー、また事件が発生しました。
女性客を暴行・強盗と悪行を行ってきたタクシー運転手がお縄ちょうだいとなった。犯人は「若く美しい女性を標的に犯罪を重ねてきた」と犯行を認め、バンコ
ク都民を震え上がらせた。逮捕後、すでに7人が被害届を出しており、警察は乗客にタクシーのナンバープレートや運転手の特徴など詳細を記憶するよう呼び掛
けた。
都内では10万台近くのタクシーが乗客探しに奔走。うち、6,000台が私有車で、また貸しが横行しており、犯罪の温床となっているという。対策として運
転手に関するデータベースの作成を検討している。(NNA)
新聞報道にあるように、若い女性が餌食になっているようです。タクシーのひどさは想像を絶する感じで、時々バンコクに出てくる家人なども、怖がって利用し
ません。全ての運転手がそうであるわけでもないとは思いますが、これでは観光立国を標榜するタイのイメージは台無しです。僕もたまには利用しますが、未
だ、それほどひどいドライバーにでくあわせないのは、幸せと言わなければなりますまい。それに僕はうら若き女性でもなく、初老に近い日本人、が幸いしてい
るのかも知れません。
タクシーといえば、高騰するガソリンを節約するために、流しのタクシーをなくす目的から、おもだった道路にタクシー乗り場を建設しています。一部できあ
がった場所を観察していると、せっかくの施設が有効に使われていないのが分かります。車寄せが道路を一部削りとられてもうけられていますが、そこには客待
ちのタクシーの姿は見えず、代わりに違法駐車の車が我が物顔に占拠しています。
ここあたりはなんだか仏作って魂入れず、の感があり、せっかくのアイディアが台無しです。駐車違反を徹底的に取りしまらないと、かえって交通渋滞の原因を
新たに作ったことにならないかと危惧します。しかし、バンコクやチェンマイで生活していますが、今まで駐車違反の取り締まりを見たことも、であわせたこと
もありません。そんな訳でしょうか、
そのせいで街中が違法駐車だらけです。片側1車線の狭いソイ(街の中の小道)などは車がすれちがうのも困難な道もたくさんあります。
タイはアジアでも有数の自動車生産国です。日本をはじめ、世界中の自動車メーカーに、税制の優遇措置を与え、工場誘致をはかっています。年間200万台に
及ぶ車が生産され、ほとんどが自国で走っています。道路整備が遅れているところに車ばかりが増え続けるのですから、交通渋滞はいっこうに改善の兆しがあり
ません。交通渋滞の緩和に、自転車をもっと利用しようとする提案がありました。しかし、いくらバンコクは平らな街と言っても、道路は車で埋まっており、そ
の車がはき出す排気ガスが充満している道路を自転車で走ろうと呼びかけても、強烈な太陽とあわせて、ネガティブ要素が多く普及の兆しは見えません。
新しく設置されたタクシー乗り場は簡単な屋根と、3脚の椅子が設えられており、これで暑い直射日光や、雨をさけることが出来ると考えたのでしょう。アイ
ディアは悪くはないと思いますが、その場所が違法駐車場と化している現状は目を覆いたくなる感じです。そのうち無用の長物と化してしまわないか心配です。
それにこの違法駐車の車が全体の流れをせき止めている感じで、ラッシュアワーなどいらいらの原因を作っています。
この種の独創的なアイディアは、タイでは結構沢山立案されており、その点では機知に富んだ人が沢山いるのですが、運用のいい加減さがちょっと気になりま
す。もっとも、そんなに厳格に取り締まらなくても、日常の日々に暮らしは困らないと言われれば、ごもっともと口を閉ざす以外に道はありません。取り締まる
警察力が不足しているのかと言えば、実はそうでなく、警察官の姿は街にあふれており、バイクのヘルメット無着用や免許書不携帯などはこまめに取り締まりな
どを実施しているのを目撃します。
日本や、香港のように、性悪説を信じ込んでいるのではないかと思われる厳し過ぎるくらいの取り締まりも困ったものですが、タイのようにあまりのルーズさに
あきれかえるのも、ちょっと困った現実です。どちらがよいかは一概には決められませんが、しかし、どちらに与するかという問題は、その人の人生観の根元に
も関係する重要な問題をはらんでいると思います。すなわち、きちんと規則を守る人たちが住む街と、比較的ルーズに感じる街が好きかという問題です。
今回はそのあたりを考察してみましょう。
どうも、日本人は規則正しい街が好きな国民のように感じます。決められたことをきちんと守る人が多いといえます。中には、傍若無人に自分勝手な行動をし
て、世の中のひんしゅくを買っている人を見かけますが、総じて規則を守る人は多いといえます。たとえが電車の中の携帯電話使用。時々、東京に出かけた折、
観察していると、以前よりもマナーはよくなったと思われます。電話の声を聞かなくなった代わりに、皆熱心に指先コミュニケーションをやっています。そんな
に連絡を取らなければならないことが多いとは、僕などは決して思わないのですが、皆熱心に指先を動かしています。
あれは、一種の中毒のようなもので、コミニュケーションしている内容は、つまらないどうでもよいことが多いような気がします。帰りにスーパーによって野菜
を買ってきてほしいとか、今晩のおかずは何ですか、とか、そんなたぐいの会話が、無声で交わされていると思います。現に、日本以上に携帯の発達している香
港の地下鉄などで、大声で話している内容は、この種のものが多く、ある時興味があったので統計を取ってみたところ、一番多い会話は「もうご飯を食べた
か?」という、質問でした。
そんな、どうでもよいことを、乗客が一杯の地下鉄のラッシュアワーの中で電話しなくてもいいとは思いますが、よく調べて見ると広東人の挨拶の常套句はこの
「もうご飯を食べたかどうか」というのです。食在香港といわれるグルメ的発想ではなく、その昔から、食事を腹一杯食べることが、至福と考えている広東人の
軽い挨拶なのです。大阪人が「儲かりまっか」とか「まいど」などという常套句を常用して挨拶を交わすのに似ています。
だから、ここで不思議なのは、電車の中で携帯を使うと、特殊電波が出て、それがペースメーカーなどを使っている人に大いに迷惑になる、という禁止の理由が
本当かしらと、ちょっと、首をかしげたくなる理由で、電車内の携帯を禁止している日本の根拠のなさです。だって、その伝で言えば、香港にはペースメーカー
を使っている人もいると思われ、その人たちはどうなるのかという問題です。この辺が、日本人の気質を知る手がかりの一つで、どうもかなり特殊な少数の人た
ちにも配慮を怠らない国民といえます。それが、社会の規制や禁止事項になるのですから、少数者を大切にするということにかけては世界一だと言わなければな
りますまい。
現在住んでいるタイなどは、その辺の社会配慮は格段に日本と比べると劣っており、この街には身障者はいないのではないかと言うくらい街では見かけません
が、街に出てくる不便さをかこって外に出てこない人が大多数だといいます。チェンマイなどでは宝くじ売りの人によく身障者を見かけますが、世間の人は温か
な目で見ており、こんな人から宝くじを買っています。
タイから日本を見ていると不思議に思うことが多々あります。これを友人に話したところ、一笑に付されてしまいましたが、それは日本人の思考形態が、季節感
と密接な関係があるのでは、ということです。つまり、いま、11月初旬になると季節は晩秋に入り、これから寒い冬が訪れます。つい先ほどまで「暑い、暑
い」といっていた日本人がまもなく「寒い、寒い」と皆、季節に対してちょっと恨みを言い出します。それも、国民皆が口をそろえて、特にテレビの天気予報な
どは、「厳しい寒波がやってきます」と警告を発します。
事実、日本での季節の代わりは3ヶ月単位で、年中暑い国タイで生活していると、日本人は寒さ暑さに対して敏感になりすぎて、それは少し我慢が足りないので
はと見えてきます。約束されたように寒い3ヶ月が過ぎると、快適な春が訪れ、百花総覧の春が訪れます。実際の今の気持ちを言えば、これはかなり羨ましいこ
とで、バンコクでも、チェンマイでも、未だに自分の思考形態が、花が咲く時期と、暦が一致しません。何年外国に暮らしていても、季節感だけは日本人の
DNAが働いて、満開のファンセーを見ても、春爛漫という実感がしません。
季節が均一で、規則正しい四季の移ろいがある(たまには天候不順が言われますが、気象学の上から言えば、年間を通じて3日間のずれがあることは、かなり珍
しい現象で、それを天候不順というらしいですが、最近読んだ記事で、地球温暖化が桜や、銀杏の色づきや開花をかなり狂わせているようですが)ことが、なん
だか人間まで均一にし、簡単に他人と同意する気質を作り上げてしまったようで、人間の独自性や、独創性などが乏しくなった原因だと考えられます。
もっとも、最近ではベンチャー起業家や、IT起業家が成功しており、社会的にも注目を集めていますが、これは新しい世代の誕生と言うことで、ここで言う一
般的な国民とちょっと乖離した人種として、考えなくてはならないと思いますが、この種の新人類が排出していることは、またそれで、時代を切り開くという意
味では有意義だと考えますは、僕が今言っている日本人とは、団体で海外旅行をする人や、旅行会社の立案したスケジュールを黙々となしている人たちの一般的
な日本人の集団を指しています。
集団でぬるま湯につかって、ついの間の幸せに浸っている人の群衆、これが今の代表的な日本人像と強く重なってきます。
もっとも、こんな話をすると「暑いから暑い、寒いから寒い、と口をそろえて言って何が悪い」という、叱責の声が聞こえてくるようですが・・・
それにしても、今年のバンコクの11月は異常で、とうに雨期があけていなければならない時期ですが、毎日大雨が降り、
ちっとも寒くなってきません。きっとそのうちこちらの新聞やテレビも騒ぎ出すことでしょう。
僕などは、若い時代は社会規律が確立した日本のような国に、年をとったらタイのように、全てが少しルーズな国に住むのが快適なように感じられます。
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