サ キさんのチェンマイ日記

                                         

禁煙看板」

 ■325■
  
6月23

 
 チェンマイの街には、時々意味不明の看板や横断幕がかけられることがあります。

 もちろんこちらがタイ語を読めないせいですが、家人はタイ語の読み書きが多少出来ますので、2人してドライブの途中などはこの意味不明の看板についてう んちくを傾ける場面が多くあります。最近では飛行場に隣接するエアーベースの道路際に掲示された禁煙の看板です。図柄は禁止マークの中に老人とおぼしき人 がたばこを吹かしています。右側にうら若き女性が上半身のシャツをまくり上げて、ブラジャーが見えます。よく見るとジーンズのジッパーはすでに少しおろさ れています。何せ飛行場周辺に出かける途中にちらっと見る看板ですのでその意味をくみ取るのに苦労します。

 それでも何回かこの看板の前を通ると、その意味がだんだんと謎解きの様に分かってきます。この看板は絵が非常に大きくてわかりやすいので、全く意味不明 のタイ語の意味を云々するのには絶好の話題の種です。この禁煙看板、そのほかに途中で折れ曲がったたばこがうら若き女性のそばにかかれています。この絵は 「たばこはあなたの性欲を弱めます」と解釈し、なんと即物的な表現だろうとちょっとあきれていました。写真にでも撮ってもっと研究しようにもこの場所は 「NO PHOTO」の看板があちこちに掲げられている空軍基地の中です。

 興味が尽きないので、何回かこの看板の前を通り過ぎる際思い切って写真をこっそり撮ることにしました。走っている車の中から運転しながらの片手での盗撮 ですので、果たしてうまく行くか不安でしたが、何とか画面の端に看板をとらえることが出来ました。拡大して家人に翻訳をお願いすると、その大意は、「喫煙 は肺ガンになって死に至ることがあります。山鳩やキジもクウクウ泣きません。たばこが原因で短命です」というものでした。やはり喫煙に関する警告の看板だ ということは当たっていたのですが、どうしても理解が出来ないのは、それではどうして若き女性が洋服を脱ぐのでしょうか。ああだ、こうだの議論が続きま す。結論が出ないままですが、これはタイ人一流のユーモアを交えた表現ではないかと言うのが最近の解釈です。たばこの吸いすぎは性障害をもたらしますよ、 という位の意味だろうという推測に落ち着きました。ここからは全くの想像の世界ですが、「喫煙は精力弱め、かわいい小娘を泣かすことも出来なくなります よ」というかなり直接的な一種の脅しではないかと考えます。

 そのほか禁煙推進の標語に「たばこは吸えば吸うだけ貧しくなります」というのがあります。実際現在タイの代表的なたばこ「クローンチップ」は一箱35 バーツ。代表的なそば「クェッテオ」は一杯20バーツです。いかにたばこが高額か推測できます。タイの喫煙者は貧困層に多く、低学歴、田舎生活者、労働者 が大半と言いますからたばこの出費が家計にもたらす割合も高くなってしまいます。2001年の統計では喫煙での死亡者は年間4万人、19歳以下の未成年の 喫煙者は45万人といいます。つまり、低所得者や未成年にたばこがかなり深刻な影響をもたらしているといえます。この看板のもう一方の方には、ヘビース モーカーが描かれていて禁煙すると家族皆が幸せになりますと、笑顔の一家が、一方喫煙を続けるとかわいい子供を不幸にします、とべそをかいている子供の姿 がかかれています。タイ語の意味はまったく分からなくてもその意図は十分伝わって来ます。

 サキさんの周辺にはたばこを吸う人は一人もいませんが、工事現場などでは起用にくわえたばこで仕事をしている人に出会ったりしてこの統計が真実だという ことが分かります。田舎では蚊よけのため、木の葉を乾燥させたたばこをくゆらしている光景を目にしますが、これは例外といえます。実はサキさんも35歳ま で喫煙者でした。禁煙のきっかっけは香港で2回目に引っ越した時です。家は内装を一新したので家の中にたばこの臭いが全くない状態でした。そんな部屋での 喫煙はにおいが強烈で、まず子供からクレームが出ました。家人も同じく喫煙者でしたのでこの際一緒にやめようと言うことになりました。別段苦労することな くたばこは止められましたがこれは子供のリクエストが大きな力になっていたことと考えます。

 英国では自分の気に入りの銘柄のシガーを吸うことによって、部屋の調度品に自分だけの香りや臭いをつけることが紳士のたしなみとは言いますが、実際喫煙 を長く続けている家庭には独特のにおいがあります。窓ガラスのども白い布で拭いてみるとうっすらとヤニがつきますし、カーテンなどは独特のにおいが付いて しまいます。古くは中国の纏足、あれはくさったような足のにおいを愛でたといいますし、「ふにゅう」という豆腐をくさらせた強烈な臭いの食べ物が現代でも 中国人に愛されています。香水のブレンドにはウンチの臭いは欠かせないと言います。これすべて趣味、嗜好の世界ですが人の好みは多種多様だとつくづく感心 させられます。

 話題変わってチェンマイの看板、標識。先にご案内の横断歩道橋につけられた信号機が稼働をはじめました。横断信号がなかったこの街のあちこちでは、「横 断歩道を信号機で渡りましょう」という啓蒙の横断幕が掲げられています。今までこんな習慣がなかったのでみんな信号機をうまく使って横断するのかと危惧し ていましたが、近所の商業高校前の横断歩道では効果的に使用されている様です。若者は何事も適応するのが早いと感心しています。あわよくば、この習慣定着 して、しばらくたったらなし崩しに以前の無秩序に戻らないように願いたいものです。


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