サ キさんのチェンマイ日記

                                        


「無粋な広告塔」
   
 ■260■  
  5 月16日 2003
     

 いろいろの花が咲き乱れる最近のチェンマイですか、街の景観を損ねる広告塔が、最近増えてきたのが一寸気になります。
 
 スーパーハイウエー沿いなど、車の交通量が多い地区は従来から巨大な看板はありましたが、簡単な鉄骨組みや、中には竹を組み合わせたフレームに看板を取 り付けた背の低い物が、低層のビルの屋上に簡単に設置されていました。それがどういう訳か今回お目見えの広告塔はフレームが鉄骨で、非常に背丈が高く地面 から直接はえて(?)います。それもお寺の敷地に隣接して、まるでお寺の境内から広告塔がニョキリと顔を覗かせている感じのものもあります。確かお寺の境 内は、看板を取り付けてはいけない規制になっているはずですが・・・・どうもバンコックから巨大資本の広告会社が、チェンマイをターゲットにして進出して きたようです。

  一体どうしたのでしょうか。従来のようにささやかに立っている、野立て看板といってもよい風情の物だったら許せる感じですが、最近の巨大看 板には一寸眉をひそめます。と、言ってもサキさんの前職は広告代理店でしたので、随分と広告塔も看板も設置してきたのですが、仕事を離れてみると、これは 街の景観をかなり損ねる代物だと気がついたというのが実際です。

  香港のノースポイントにあるS社のネオンサインは、実はサキさんが設置した物です。ご存じの通り、香港は看板の街といっていいほど、あらゆ る場所が広告スペースとして使われています。それがまた各媒体とも結構な掲出料をとっていて、商売として結構繁盛しているのです。中国返還前までは、世界 の代表的な観光地として注目を集めていた香港です。ピーク時は年間200万人にも及ぶ日本人観光客が訪れるとあって、わざと日本語のネオンサインを香港に 設置したりして、それが結構評判をとったこともあります。

  それにしても広告看板は、国によって規制がバラバラで、それが街の景観の違いになっています。開放政策進んでいく途中の中国などはその典型 で、1980年初頭は街に看板が見あたりませんでした。北京などは結構規制が厳しく、ある年などは軍事パレードのテレビ中継に日本企業の看板が写ったとい う理由で、天安門を中心とした半径10キロの範囲は広告看板禁止令が出たこともあります。この地区の広告看板が制令によって取り払われると、街がすっきり とした感じに変身しました。

  しかし、最近は規制が少しゆるめられた感じで、中国国内はかなりの地方都市でも、街の景観が広告によって損なわれているようです。香港に隣 接する、経済特区深セン空港の管制塔の周りにも広告が張り付いていて、一体中国お得意の規制はどこへ行ってしまったのかと首を傾げたこともあります。それ くらい広告看板が反乱していて、それが無秩序に見えますので、こうなると目障りの感があります。

  さすがアメリカやヨーロッパは、早くからこの点に対する配慮が行き届いていて、街の景観を損ねる看板は許可にならないようで、街の様子がか なりすっきりとしています。それに電柱、電話線も景観を損ねる要素の一つで、これがないと街はさらにすっきりとします。お気づきになりましたか、高層のペ ンシルビルが林立する香港の街が、意外とすっきりと見えるのは、この電柱や電話線が地中に埋められていて、街には1本もないせいなのです。しかし、市街地 は小さな看板が無秩序に出されていて、規制も緩く、2階建てのバスの高さをクリアすればよいと言う簡単なものですので、2階がオープンエアーになっている 観光バスで立ち上がって、頭をしたたかに看板に打ち付けたという笑えない話があるくらいです。世界一広告看板がが氾濫している街といえます。

  振り返ってチェンッマイ。タイでは広告規制はそんなにきつくないと聞いてはいましたが、このラッシュ現象はちょっと困りものです。鉄骨を大 量に使った本格的な建造物ですので、もし撤去となっても時間と労力がいります。最近チェンマイの新しいショッピングセンターとして人気の高い、エアポート プラザの前に建設された道路の立体交差などは、何年も工事が続いて、付近は交通渋滞が慢性化していました。事情通に聞きますと、この立体交差はいったん完 成したのですが、高さが聖地ドイステープを見えなくするので、景観を損ねるという理由で取り壊し、再度高さを低くして建築されたとのことです。

  お寺はそれだけ大事にされているということですので、この巨大広告塔、そのうちに物議を醸して、議論百出するのではないかと考えますが、今 のところは一週間に1本の割合で出現している感じです。古都の景観を損ねるという理由で、チェンマイ旧市街は高層建築が禁止されています。だから落ち着い た佇まいを今に残して訪れる観光客に安らぎの心を提供できるのです。それが旧市街でないと言っても、街の中にも巨大で背の高い広告塔氾濫となれば、せっか くの高さ規制が有名無実になり、あっという間に看板だらけの街になって仕舞わないないとも限りません。早めの対策が必要の要です。


 目障りな広告塔