サ キさんのチェンマイ日記

                                        



「老後をチェンマイで」


  ■221■ 10
月 5日 2002
       
  
 
 9月の読売新聞衛星版にこんな記事がありました。

「日本人観光客、定年退職者を対象に、タイでの長期滞在をPRするため、タイ政府は10月の第2週から、連続テレビドラマを「チャンネル9」で放送するこ とを明らかにした。

 ドラマは、日タイの著名俳優を起用し、第二次大戦中、進駐した日本人大尉と、タイ女性の愛憎物語を描いた、人気の小説「メナムの残照」(原題クーカム) のようなラブストーリーにする方針で、話題を集めそうだ。日本でも二十回シリーズで放送される予定。

 ドラマを制作するタイ首相府によると、物語は、日本人の老夫婦が、短期間の日程でタイ観光に訪れることから始まる。予定の日にちを過ぎても帰国せず、し かも、音信も途絶えたことから、心配した十代の孫が、祖父母探しのため単身でタイに飛ぶ。タイ各地を捜し回った末、人々に暖かく包まれ、幸せそうに暮らす 祖父母の姿を発見。その過程で知り合ったタイ女性と恋に落ち、祖父母とともにタイに長期滞在を希望するというストーリーだ。

 撮影は、日本、タイで行われる。現在、タイ側の俳優としては、主役の女性に、タクシン首相の長男の恋人とされるアリチァ・ライサトルゥクライさん、男性 俳優に、ソムチャイ・ケムクタットさんの名前が挙がっている。

 タイ政府は、長期滞在促進を通じて、観光収入増、雇用創出などの経済効果を狙っている。タイを訪れる外国人観光客の中でも、最も多い日本人シルバー1世 代を対象に、物価が安く、人情味あふれる“ほほえみの国”タイをPRする。今回のキャンペーンで、一ヶ月以上滞在する長期滞在者 を、今年の三千人から来年には五万人にしたいとしている。

 非常に興味惹かれる記事ですので、全文を引用しました。確かに、チェンマイで生活していて感じるのは、このところやたらと日本人が増えてきたとの感触で す。繁華街を歩いていても、現在タイ語の勉強に通っているYMCAでも、日本人で溢れかえっています。タイの観光業も成熟期に入ってきた感じで、昨年の 9・11事件後、世界的に飛行機を利用する旅行が激減して、大手航空会社の経営が思わしくないなどという悲観的な報道がありましたが、どうやらタイに限っ ては、そのらちの外という感じで、タイを訪れた観光客数が新記録を達成しそうとの観測があります。

 今年前半期の観光客数は、前年同期の6.4%の増加で、この分では初めて1000万人を超えた昨年を上回り、1050万人に達するという推計が発表され ました。また、タイの観光業は国内総生産(GDP)の5%以上を占め、観光業就業者は数十万人に達し、昨年の総売上は3500億バーツだったとの報道もあ りました。


 古くから、観光立国を目指し「ほほえみの国」を売り物にしてきましたが、やっとそれが実ってきた感じです。タイは、どうしてそんなに日本人に魅力を感じ させるのかを考えて見ました。確かに、日本人はアジアの国々には、欧米諸国に感じるよりも親近感が強いようです。黒い髪、黒い瞳が、違和感を薄めているの でしょう。それに、優しさが加われば魅力が一層倍加され、それが、タイの一番の魅力になっています。日本人の定住者が増えることは想像に難くありません。

 戦争の悪いイメージがないことも、次なる理由です。北の町メイホンソンなどは、印パール作戦に敗退した人が武装を解いた街として、当時の思い出に浸る高 齢者に人気がありますが、それ以外はあまり戦争の爪跡はありません。タイは、山岳の楽しさ(チェンマイなど)と、海岸線の美しさ(プーケットなどの南の 海)の両面を併せ持っているのも、観光客を引きつける魅力になっているのでよう。

 香港なども、観光地としては古くから日本人にもてはやされていましたが、それは、イギリスの統治下にあるエキゾチックさが大いに影響していた感じは否め ません。現に、97年の返還後は、日本からの観光客は少なくなってきている感じです。同じアジア人であっても、中国人に親近感を強く感じる日本人がどのく らいいるかと考えると、ちょっとタイ人とは比較の対象にすらならない感じです。

 そこえもって、今回のテレビドラマの話。これは、格好の話題を提供しそうです。いやもうすでに、タイ側では話題彷彿しています。それは、タクシン首相の 長男が、このドラマの出演を考えていたふしがあって、首相に駄目を出されたとのニュースが報道されました。彼は、そのほかでも、最近話題の中心です。大学 の期末試験にカンニングしたというものです。タイ一番の金持ちの首相でも、自分の息子の教育はままならず、一層のことタクシン大学を設立し、そこで学べば 卒業間違いなしと揶揄する報道などもあって、このところちまたで話題彷彿中です。カンニングの件は、そうではなく友達の連絡場所を書いた紙を持っていただ けだ、という、なんだかタイ式の解決方法で容疑が霧散してしまいましたが。

 日本の小泉首相の長男も、俳優の駆け出しとか、いっそ日・タイの首相の息子が競演すれば、話題に一層花を添えるのではないかなどと、想像などをたくまし くしたりしています。

 今回のドラマの原作も、戦争の話題です。今更とも思いますが、現実は格好の原作がなかったことも影響しているのかもしれません。しかし、世代交代した現 在、タイの若者も、日本の若者も、戦争のことを遠い昔話としか感じていない時、このドラマが彼らに何かを感じさせてくれれば、それのまた意味のあることと 考え、原作の古さにはあまり神経をとがらせずにドラマの開始を楽しみにしたいと考えています。

 今までは、企業の駐在員や、タイ女性と結婚した人など一部が長期にタイに生活しているだけでしたが、今度は、定年退職者などの高齢者が多数タイに住み始 めることになります。全く新しい階層の日本人、うまくタイの社会にとけ込めるかそれが注目の的です。

チェンマイの四季?