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「チェンマイの家(2)」
■210■ 7月
14日 2002
チョッと変だと思っていたこのビレッジは、そんなに無計画な住宅地ではありませんでした。
バスチュー広場の尖塔の奥に進むと、そこは立派なお屋敷街になっていました。入り口が、チョッとサキさんには気恥ずかしいくらい完全なヨーロッパ調の白
亜の殿堂でしたので、奥もこんな感じの住宅が並んでいると想像して中にはっていきますと、そこにはなんと、落ち着いた大きなお屋敷風の住宅が立ち並んでい
ます。
チェンマイに移住した当所、家探しをしていた時、こんな感じのお屋敷を何軒か見せられた記憶があります。チェンマイとは思えない立派な邸が100軒くら
い、広い郊外の敷地に配列されています。ここはセキュリティーも完璧な感じで、運転手は入り口で、運転免許を一時預かりさせられました。金網に囲まれた住
宅地は、丁寧にも周りをお堀に囲まれている念の入れ様です。それにお堀端には、柳の回路樹が風に枝をゆるがて、照りつける強烈な太陽の光がなければ、芦屋
か田園調布の趣です。
それに、各家は不粋な高いコンクリートの塀に囲まれていないで、全て低い植え込みでセパレートされているだけです。ふと考えると、日本の家は、どうして
あんなに狭い屋敷を高い石塀でかこった家が多いのでしょう。セキュリティーを考えても、高い塀で囲っている方が、中でなにが起こっているかが分からず、か
えって不用心な感じがします。安全さを世界に誇っていた日本の街は、昔から実は不用心だったのかも知れません。それとも、自分の築いた地位と、財産をこん
な形でしか表現できなかったのかも知れません。昔日訪れたベバリーヒルズなども、家全体が低い植え込みで囲まれているだけで、街全体が緑多い芝生を張り巡
らせた感じになっていて開放的です。聞くところによれば、街の取り決めで高い塀で囲んではいけないようで、そうして、全体の景観を保っているとのことで
す。サンフランシスコの南の高級住宅地、モントレー、カーメル、ペブルビーチなどは、この植え込みすらない家が多く、丁度訪れた6月は芝桜がきれいで街全
体がお花畑のようでした。
そんな感じの住宅街が、チェンマイにも存在するのです。これはチョッと驚かされました。しか、しよく考えてみれば、タイはまだ貧富の差が激しく、お金持
ちはどこまでも金持ちで、そんな人がセカンドハウスをチェンマイに建てるのが、一時大ブームになったことがあったとのことです。
仕事はバンコクで、週末をチェンマイで過ごす人、夏の盛りは、チェンマイに避暑に訪れる人が多いとのことです。さもありなん。こんな高級住宅は、そんな人
種の家なのです。だから内装も凝っています。
ホームバー、暖炉も設えてあります。常夏のチェンマイに暖炉とはと、チョッと驚きましたが、これは冗談でもなんでもなく、郊外の山の麓では暖炉が必要との
ことです。チェンマイ市内でも、コタツを買おうかと思ったという日本人がいます。本当に気温が下がる年があるようです。
土地は安く、人件費も安い、気候も涼しく、ここはタイの人が憧れる別天地なのです。最も通にいわせれば、ここよりさらに北の街チェンライが、最近では脚
光を浴びているとの情報もありますが、そこまで行くと一寸田舎過ぎる感じもします。チェンマイのセキュリティーも申し分ないようです。4、5月を日本で過
ごしたとき、一寸心配だったのがセキュリティーでした。しかし帰ってみれば、庭の芝生こそはのび放題でしたが、車も、家の中も、そのままでした。困ったの
は、車のバッテリーが上がってしまっていたことぐらい。これがバンコクや香港では、こんな感じではなかったと思います。
平和な街チェンマイ、無秩序な街チェンマイにも、こんな別天地が沢山あるのです。しかし、残念なのはこの住宅地は土地分譲をしたらしく、家が建っていな
い区画があります。そんな区画は、成長の早い草や樹木で覆われて見る影もありません。そうなんです。超列な太陽と、雨期に大量に降る雨は、空き地を見る間
にジャングル変えてしまいます。
そんな空き地と隣接しているお屋敷はみじめです。まさか職人を入れて隣の木を切り倒すわけにもいかないようで、それがこの高級住宅地を一寸みじめな感じに
しています。
チェンマイの家
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